自主事業アーカイブ

小川未明フェスティバル2021秋編

11月28日(日) 開演 14:00

今年度も小川未明フェスティバルが開催されました。
2021年秋編のテーマは、「夏の晩方あった話」。
会場は、ソーシャルディスタンスを保つために大ホールのオーケストラピットを使った、特設ステージでの公演です。

一階ロビーや市民サロンでは、小川未明連絡会議の構成団体による、関連イベントを開催。
未明童話にちなんだパネル展示や、グッズの販売などが行われました。
又、紙芝居体験コーナーを設置。直江津図書館、天王町町内会からお借りした紙絵と紙芝居箱、そして当館スタッフが制作した段ボール製の手作り紙芝居箱を展示しました。

〇未明童話の新作合唱 「夏の晩方あった話」作曲:後藤 丹 作詞:ごぶいちけい

2021春編では、上越市内でコロナウイルスの感染が確認された影響で出演を断念した少年少女合唱団「グルポ・カントール」。一年越しのステージでの発表です。
平成31年度の合唱曲「野ばら」や令和2年度の合唱曲「山の上の木と雲の話」も披露。
指揮は金子 央さん、伴奏は望月 由紀さん。子供達の澄んだ歌声がホールに響き渡りました。

〇読書感想文の表彰式

入選者1名、入賞者4名が参加しました。
上越教育大学教授 小埜 裕二先生より、表彰状が授与されました。
リハーサルを思い出しながら、舞台の中央へ。全員上手に表彰状を受け取ることができました!
入賞者の4名には実際に感想文を読んでいただきました。舞台裏では緊張した面持ちでしたが、ステージに立つ姿は堂々と立派なものでした。客席からは惜しみない拍手が上がりました。

〇講評と講演

読書感想文の講評と講演が小埜先生によって行われました。
大人とは違った子供の視点の鋭さ、未明童話の面白さに再度気付かされます。

〇紙芝居と朗読

「サーさ、紙芝居がはじまるよう。みんな寄っといでー」
拍子木の音が聞こえ、紙芝居屋さんが自転車を引いてやってきました!
紙芝居屋さんの正体は、横手 正実さん(直江津学びの交流館・直江津図書館 副館長)。
自転車に設置された紙芝居箱。窓を開いて、さあ始まります。今日のお話は、「大池・小池の話」…
上越市頸城区に実在する「大池・小池」にまつわる民話です。「大池の大亀」と「小池の大蛇」が争うさまを、声色と全身を使って表現。躍動感あふれる口演に惹きこまれました。

「夏の晩方あった話」を朗読。

『「おじさん、こんど、あめ屋さんになったの。」
 正ちゃんは、顔なじみの紙芝居のおじさんが、きょうは、あめのはいった箱を
 かついできたので、目をまるくしました。…』

「夏の晩方あった話」(小川未明 作)

優しい語りに、音楽と照明が相まって「夏の晩方あった話」の情景が浮かび上がるようでした。

〇詩の朗読 『蜜月』より

3年前に亡くなられた奥さんとの最後の時間を綴った詩集『蜜月』を、小川 英晴さんが朗読されました。小川さんが紡ぐ一つひとつの言葉に、胸を強く打たれました。

〇創作フラメンコ

プログラムの最後は、「ARTE Y SOLERA 鍵田 真由美・佐藤 浩希フラメンコ舞踏団」による創作フラメンコ。
佐藤 浩希さんによって伝統的なフラメンコが披露されました。瞬く間に本場スペインの空気が漂います。

今回のテーマは「月とあざらし」(小川未明 作)。
広大な海で子供と逸れてしまった母あざらしは、悲しみに暮れながらも、風や月に子供の居場所を尋ねます。
母親の嘆きや、母を探す子供の悲痛な叫びが、歌と踊りによって情熱的に描かれました。